「それはね、自分にチャリティーしてほしいとインナーチャイルドが伝えてるの。人に何かしてあげたいと思うことは、自分自身がして欲しいことなの。気づいてあげてね、インナーチャイルドに。」
先日の台風でベランダに置いてある物置の扉が、お隣さんのベランダに飛んでいってしまった。
幸いにして事故にはならなかったが、もしも・・・のことを想像してあまりの恐怖に吐きそうになった。
そんなこんなをその人に話したら、
「身代わりになってくれたのかも。感謝してあげてね。」
その人の言葉を意識して生活していたら、次々といろんなものが故障して、
「気づいて~!」、と主張してくる。
築50年のオフィスの変圧器がついにお陀仏となり、
まだ一年半しか使用していない掃除機のモーターがウーウーうなり、フードプロセッサーはしかめっ面のままで反応を拒否。
まるで人格を持っているかのようにすら感じてしまうほどなのだ。
そんな過敏になっている私に気づいたのか気づいていないのかは定かではないが、久しぶりにかかってきた電話は、「お金貸して。」
今までの私だったら変に同情していただろうけど、その日の私は違っていた。
「悪い。お金、ない。すまん。」
精一杯、声震わせながら、そう伝えた。
ごめんね、タカちゃん(私)に気づいてあげなくて。これからは、もっと大事にするからね。ちゃんと貯金もするからね。
で、なぜか家計簿をつけることを決心した。
この子のかあさんになるために。自分自身に戻るために。