何度も海外ロケの経験をしたところで、この緊張とプレッシャーから解放されることはないだろう。
もちろん、今回のロケもかつて同様、緊張感はあった。
でも、何かがいつもと違うと感じていたりもした。
スタッフのスケジュール調整に何の問題もなかったことから始まり、第一希望のモデルがブッキングでき、航空チケット、滞在先ホテル、現地コーディネーターと、すべてが希望したとおりに事が進んでいった。
これは、実は、かなり奇跡的なことだったりする。
さらに今振り返ってみても鳥肌もんの奇跡は、天気に恵まれたこと。
過去のアクアガールロケにおいても天の気分がいつも味方してくれるのは、普段の行いがいいのに加えて、神様が守ってくださっていると信じているから。
「私は絶対雨を降らさない。」、と強気に言っても心の中では、「神様お願いします。どうか雨が降りませんように。」、を繰り返している。
とにもかくにも念じること。強気の先は、念力なのだ。
今回は出発する前から、何も不安なことがなかった。
これほどスムーズに事が進むと逆に不安になってきて、滞在先ホテルのクレジットカードでの引き落としができなかったことが、むしろ嬉しかったりもした。
前置きが長くなってしまったけれど、この先も長い。
私の仕事史上(大袈裟だが)、最も感動的なロケになったのだから。
よって、この先も、長い。
「マラケシュに行かずして死ぬなかれ。」、とはコーディネーター博美さんのお言葉だ。
さあ、
月曜早朝パリからマラケシュへと向かう。
凍えるパリからコートが要らないマラケシュへは、飛行機でたったの2時間半だ。
空港には現地コーディネーターのHassan(ハッサン)が私たちの到着を待っていた。強面の大柄な男性がにらみをきかせて立っていた。このハッサンとの出会いが、ここでの奇跡を生んだのだと後になって確信することになる。
ホテルに向かうまでの車中では、見るもの全てが驚きと興奮で、
この羊ちゃんにも後に文化の違い、宗教の違いをまざまざと見せつけられることになる。
どうやらホテルに到着したようだ。
茶色のマントのハッサンの指示で、トランクを下ろしていく。
リヤカー・・・ホテル前じゃないし・・・子供たちが集まってくるし・・・ここはどこ・・・
日本からパリ、そしてマラケシュ、と私たちはほとんど寝てませんよ。けど、「ヤバイヤバイ」も連発の超ハイテンションで、
ホテルまでこういった路地を歩いて行くのです。
「ヤバイヤバイ」
ウェルカムドリンクも忘れ、「ヤバイヤバイ」
誰も座らずひたすら激写、「マジヤバイ」
ハッサン、「ヤバっ」
「早く撮影を終わらせるためにはどうするか。」を考える、いや、考えられない、三人。(右からスタイリストブッチー、フォトグラファータカオ、ヘア・メークエリーズ)
放心の三人。(右からアクアガールディレクター笠原さん、私、ブッチー)
何を隠そうこのRIAD CHARAIは博美さんのご尽力で、貸切でございます。
どこを撮影してもよいのでございます。
すべてのお部屋が違っております。で、ロケハンに。
ランチは屋上で
みんな笑顔・・・どの写真もみんな笑顔で・・・
モデルのケリーがミラノから到着。
そろそろ撮影を開始しましょうか。
ここで、デジカメの電池が切れました。