そのとき時代はバブル全盛期。
あれよあれよと仕事の依頼が舞い込み、流れに身を任せた形で会社を設立した。
来るもの拒まずバジェットの少ないものでも興味があるものなら、何でも依頼を引き受けた。
バブルが崩壊しても会社が存続できたのは、この姿勢があったからだと、今になって思う。
高圧的だの高飛車だの、と人は言うけど実際は、納得するまで質問し、信念を述べ、不当なことを指摘してきただけ、だ。
それと、私が一番重要視しているのは、
「フェアであること。」
物理的・経済的リスクを外部にだけ要求するのはいかがなものか。
こんな時代だから、という理由で宣伝という先行投資はしない。
売り上げが達成したときだけ報酬を与える、ってどうなんだろう?
私たちフリーランスの外部スタッフは、ヒエラルキー最下位である。
言いなりにならなきゃいけないのだろうか?
うんにゃ。
私は、言いなりになんか、ならない。
チャンスを頂けたならそのチャンスを活かしたいし、成功の経験値で伝えるべきことは伝えるし、納得いかないことは納得がいくまで話し合う。
リスクをシェアし、利益を正当に配分するよう交渉する。
その場でオープンに話し合う。
交渉成立したら、握手だ。
20年前とまったく変わらないが、年を重ねた分、高圧的とは言われなくなったのは、よかったといえば少し負け惜しみではある。
こんな時代だから、と不利な状況に追いやられたり、不当な要求をされたら、なげやりに流れに身を任すんじゃなくて、正面からぶつかるんじゃなくて、説得力ある交渉術でこの状況を切り抜けよう。
それでも響かないようなら、さっさと切り上げてしまおう。
時間がないのだ。
あっという間に、誕生日は来るのだから。