Crossroads

交差点的視点から

流れに身を任すんじゃなく

20代の頃、東コレブランドのプレス担当として5年間会社員をやってきたが、ファッションだけの世界にいたら視野が狭くなるんじゃないかという不安と、尋常ならざる忙しさでプライベートの時間が持てないストレスとで、ある人の紹介でまったく未知の世界に好奇心だけで飛び込んだ。

そのとき時代はバブル全盛期。

あれよあれよと仕事の依頼が舞い込み、流れに身を任せた形で会社を設立した。

来るもの拒まずバジェットの少ないものでも興味があるものなら、何でも依頼を引き受けた。

バブルが崩壊しても会社が存続できたのは、この姿勢があったからだと、今になって思う。

高圧的だの高飛車だの、と人は言うけど実際は、納得するまで質問し、信念を述べ、不当なことを指摘してきただけ、だ。

それと、私が一番重要視しているのは、

「フェアであること。」

物理的・経済的リスクを外部にだけ要求するのはいかがなものか。

こんな時代だから、という理由で宣伝という先行投資はしない。

売り上げが達成したときだけ報酬を与える、ってどうなんだろう?

私たちフリーランスの外部スタッフは、ヒエラルキー最下位である。

言いなりにならなきゃいけないのだろうか?

うんにゃ。

私は、言いなりになんか、ならない。

チャンスを頂けたならそのチャンスを活かしたいし、成功の経験値で伝えるべきことは伝えるし、納得いかないことは納得がいくまで話し合う。

リスクをシェアし、利益を正当に配分するよう交渉する。

その場でオープンに話し合う。

交渉成立したら、握手だ。

20年前とまったく変わらないが、年を重ねた分、高圧的とは言われなくなったのは、よかったといえば少し負け惜しみではある。

こんな時代だから、と不利な状況に追いやられたり、不当な要求をされたら、なげやりに流れに身を任すんじゃなくて、正面からぶつかるんじゃなくて、説得力ある交渉術でこの状況を切り抜けよう。

それでも響かないようなら、さっさと切り上げてしまおう。

時間がないのだ。

あっという間に、誕生日は来るのだから。

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ウラノ タカコ

TAU co.,ltd.代表
80年代デザイナーズブランドのプレスを経て'90に株式会社タウを設立。最初に手掛けたPRが伝説のクラブ「GOLD」。以降、ファッションブランド、セレクトショップ、カフェ、クラブ等の立ち上げに参画。「衣」「食」「住」「遊」のすべてが融合した終の棲家をプロデュースすることが目下の夢。

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