が、それはある日突然やってきた。
「中年太り」
響きも文字の面もおぞましいではないか。
汗と涙が血と肉に征服されてしまった。
老化というのは恐ろしいもので、いくらトレーニングしたところで代謝が悪くなっているせいなのだろうか、そう簡単には余分な脂肪の塊は落ちてくれないのだ。
と、オフィスで下っ腹の脂肪の塊を指でつまみ、ぶつぶつ文句を垂れていたら、スタッフの一人がこう言った。
「アネキさま、私が断念したコアリズムのDVD差し上げますよ。」
七日間メリハリボディプログラム 上級プログラム?
初級からじゃないの?
「だって、アネキさま、初級じゃ物足りないかと思って。ちなみに私は、初級で息が上がってその後ねんざしてしばらく外出できませんでしたけどね。」
いくらストレス過多とはいえ、平日のこんな真夜中にやるもんじゃあ、なかった。
動きについていけず、ストレス、さらに倍。