代官山の仕事仲間である鈴木さんと、たまたまパリから帰国なさっていた博美さんとで、行きつけの中目黒AWキッチンへ行く。
昨年の春に、私のオフィスでお二人をご紹介して以来の再会なのだが、その後のお二人の不思議なご縁は今も続いている。
パリのコレットで、1月18日からメンズファッションウィークの一週間を左にアンダーカバー、二週間を右にヴィツゥが並んでディスプレイされることになった。しかも、同時期に開催されることは、双方ともに知らなかったというのだ。
補足しておくと、鈴木さんはヴィツゥの、博美さんはアンダーカバーの関係者である。
アンダーカバーの高橋循さんがディーター・ラムスの熱烈なファンであることを博美さんからお聞きし、ディーターがデザインした家具を扱うヴィツゥ社に鈴木さんを通して紹介したという経緯が、昨年の5月にあったのだ。
ご縁というのは、本当に不思議。
どこか目に見えない別次元で誰かがせっせと赤い糸をくくりつけているようで、とても楽しい気分にさせてくれる。
その交差点に私が立っていることも、大変嬉しく思っている。
ともあれ、我が家のキッチンのように馴染みにしているAWキッチンにお連れすることになった新年だが、はたして大人で国際人の目も舌も肥えたお二人に気に入っていただけるかどうか・・・
採れたて菜の花と鈴木さん。なんかくすぐったい感じ・・・
パスタがやけに可愛く見えるが、ワインが似合うパリ在住博美さん。よって、セーフ。
それでも、この日が二度目の出会いとは思えないほど話は盛り上がり、ワインの力も手伝って、まあしゃべるしゃべる。が、同世代の三人、固有名詞がかなりの頻度で出てこない。
話の途中で、「ほら・あの・その」とスタックしがちで。。。
少し前の、鈴木さんとの打ち合わせの際も、「ほら、あの人なんて名前だっけ?ほら~、あ、あ、アンドレ・ザ・ジャイアントじゃなくて・・・ほら・・・」
パリコレに参加している超有名デザイナーの名前もプロレスラーになるくらい深刻な状況に陥っていた私たちだが、博美さんも相当の重症だった。
「パリで博美さんのことをよく知っているという人にお会いしましたよ。」
「誰ですか?え?知らな~い。ガハハ~。」
スモークされた料理の蓋を開けたら、竜宮城に行っている間に300年経ってしまっていた浦島太郎のようだった。
これも私たちを煙に巻こうとするAWキッチン神ちゃんの作戦だったのかもしれないが。