五月に結婚式をあげる秘書A子のために、披露宴で流す音楽の選曲を100曲ばかりしたのだが、老いも若きも楽しめるなかなかナイスなハッピーソングばかりをよくぞ選曲したものだと自画自賛モードに浸っていた。
ただし、歌詞に披露宴にはふさわしくない内容があるかもしれないので、念のため確認しておいて欲しいとだけ伝えて。
予感は的中し、去っていった女性を未練たらたら嘆き、復縁を願うしみったれた男のバラードか、あたしゃ一人で生きていくさ、と弱いくせに強いふりする女の決裂ソングがやけに多かった、と。
それでも式に相応しいハッピーチューン60曲を選び、それらの音は当日の感動をサポートする大きな力添えになることは間違いないと、ほくそえんでいる。
こんなところで、音の好みの傾向がわかるというのは、自分の素を見られるようでなんだか気恥ずかしいけれど・・・
さて、海外出張が多く久しぶりに会う友人と、オーギャマンへ行く。
お互い3月生まれということもあって、二人だけで乾杯することに。
こはだのマリネとホワイトアスパラガスのサラダ
ふわふわオムレツに黒トリュフをのせて
希少部位の三角肉に黒米のガーリックライスを添えて
たまにはこうしてゆっくり食事しなくちゃね、なんて話していたら、突然スタッフから「本日の主役」ハッピを着せられて・・・
赤面しながら皆さんのあたたかい拍手に涙した。
右の目にまつげが刺さって泣いていたのだけれど、そんな無粋なことも今更言えず、右目から涙を流しつつ笑顔で感謝を伝えた。その顔は、さぞかし、怖かったろうに・・・
「ウラノさん、Sさんから電話です。」
「ツイッターでオーギャマンにいるってあったから、木下シェフに念押ししたの。ちゃんと誕生日サプライズ頼みますよって。」
有難きは、友だちの輪。
嬉しさの余韻を楽しむべく、二人だけのカラオケへ、披露宴の選曲からもれてしまったベタなラブソングをデュエットで歌う。
本当のことを言うと、こんなセットとこんな衣装でこんな歌を、私自身で歌いたいところなのだが・・・
友からの温かいメッセージに感謝しつつ、いい歳になったというのにいまだ変身願望があるのがなんだか気恥ずかしくもあり。