二週間ほど前に急遽決めた長野行きは、一年前にアクアガールの撮影で訪れた御射鹿池にもう一度行きたかったから。
今年に入ったとたん、いつもとは違う体の不調を自覚しており、それは年齢のせいばかりではなく、なんとなく地球そのものの気の流れのようなものが悪いんじゃないのかな、などと、このところの激しい気候の変動をそんなところに結び付けていた。
そこにいるだけで癒される御射鹿池に行きたい。
京都から車でやってくる友と長野駅で待ち合わせの約束をしたのは、東京に41年ぶりに雪が降った4月17日土曜の朝で、自宅を7時に出なくてはならない私は、心が折れかけていた。
けれど、京都から深夜に運転してきている彼女をひとりにさせるわけにはいかないな、とiPodから流れるTRFの「寒い夜だから・・・」を歌いながら寒い朝に家を出た。
雪の影響で新幹線が遅れることもなく、10時きっかりに長野駅に到着。
そこから、箱根神社へ一緒にいったマリさんのリクエストで、戸隠神社へと向かう。
この地もやはり41年ぶりの雪の影響で、マリさんが行きたがっていた奥社には入れず、
今日はここには呼ばれてないのよと、鳥居の前で手を合わせ、雪景色を借景にそばをすすった。
今日は御射鹿池なのよ、と心の中で思いながら。
戸隠から蓼科への途中、善光寺さんに寄れば、
桜が満開で、
蓼科へ向かいながら沈みゆく太陽を追いかけ、
木立の前に立ちすくみ、
雪が残る御射鹿池の美しさに涙した。
山道で3度、鹿の群れに遭遇し、この地の歓迎を受けた。
ここに来ることができて本当によかった。
「愛されてるんだな~」、ってことを初めて感じることができたから。
余生は「感謝」だけのような気がしたから。