数年に一度、鎮痛剤を飲んでも一向に激しい頭痛は治まらず、横になっていても激痛と鈍痛が繰り返し、あ~、このままどうにかなっちゃうのかな~、などと眠れぬ夜を過ごすことがある。
整体に行けば、「こんなに肩が鉄板のようになっている人はなかなかいません。頑張らないでください。」、の決まり文句で。
頑張らないってどういうこと?
調子が悪けりゃ姿を隠すし、元気な私を期待してくれてる人を前に機嫌の悪いところなんか見せたくない。だから、頑張る。人知れず、療養してればいいのだから。
それでも、しんどいよ~、とこぼせる仲間がいてくれる私は幸せ者だ。
イタリアンが食べたいと言ったら、ちゃんと調べて探してくれる。
プンタレッラが食べたいと言ったら、ちゃんと出てくる。
どうせ、あの黒いのが食べたいんでしょ?
そうなの。ホワイト(アスパラ)も黒(トリュフ)も大好きなの。
ほんと、ウラノはジェットコースター人生だよね~!と友は言う。
自らそれを演出していることを、友は知っていてそう言う。
そんな私に付き合ってくれているってことは、貴女だって同じなんだよ、と私は言う。たとえ、二人になっても、誕生会は続けようね。私を最後にしないでね。と、本気で思っている。
体が春の準備を始めているというのに、外は冷たい雨。頭痛は続く。
疲れしらずの殿が、家のリフォームアドバイスをお願いしたい。自分は一切口出ししないから、と言っておきながら、舌の根も乾かぬうちから口出しする。
ね~さんのところと同じL字ソファが欲しい。
ね~さんのところと同じエッグチェアが欲しい。
姉のやることなすこと真似する殿は、実の弟より弟らしくて、腹立たしい。
それでも、お礼にと食事をご馳走してくれるところは、実の弟と違って、好感が持てるけれど。
秘書A子挙式のヘアメークの打ち合わせに立ち会う。
つけまつげはこっちの方で、右へ一ミリずらして、シャドーはこの色で、、チークはこのくらい、髪飾りはこれでこの位置に・・・で、担当の女性も大興奮。こんなに的確なアドバイスをしてくれる人はなかなかいません。花嫁さんで、こうやって人にお任せする方ってそういらっしゃらないんですよ。で、ますます張り切る私。
お礼にとオーギャマンへ予約せず出向けば、席はなく。。。
それでも、ちょっとここで待っててください!と若きギャルソンが相手してくれた。
その分、オニオングラタンスープに乗るフォアグラは器から飛び出す大きさで。
A子の挙式準備で、なんか私も結婚したくなったな~、と言えば、僕がいるじゃないすか~、と家庭持ちのシェフが調子のいいことを言う。
ウラノさん、寿司食べに行きませんか?知る人ぞ知るの名店で、若大将がモデル出身のイケメンなんですよ。
はい、喜んで!
で、代官山まで迎えに来てもらい、勝どきへ。
寿司の旨さもさることながら、紹介の方そっちのけで若大将と盛り上がる私。だって、共通の友人が、あまりにも近しいゲイ友ばかりだから。
もしや若大将、も?いやいや、僕は、ノンケです!って、ノンケっていう言い方がすでに怪しいが、見る目アル私は、彼はノンケだとわかっている。
すぐの再会を約束して、近くの公園で花見。
誕生日が過ぎても、春はまだまだ遠い、三月末日。年度末。